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神奈川県平塚市で活動するひらつか演劇鑑賞会。
この会の活動内容や感想を新入会員視点でご紹介します。
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第106回観劇会 劇団NLT「嫁も姑も皆幽霊」

喜劇を観たのは初めてでした。台詞の至る所に風刺が利いていて楽しい。
先妻・克子役の音無さんの跳ねる姿はなんとも可愛く、幽霊なのに元気。
むしろ幽霊の方が元気。
あの世の描写も面白く「死ぬのも悪くないかも」と思わせられます。

生前姑に家政婦のように扱われていた妻を労いもしなかった上に、
今となっては新妻にかまけて家業も執筆も疎かな主人公・水澤圭輔を見ていて
じわじわと怒りが湧いてきたところで、喜劇だということを思い出させるテンポのよさ。


水澤家セットは下町なのにモダンな内装だなあ・・・と思ったら、
若い新妻のためのリフォームだったことに納得。
キッチンカウンターには背の高いスツールがあり、
畳の居間は、柱は金色に塗られアクセントに。
元は純和風だったであろう襖は白をベースに、落ち着いた青の小さな■模様がポイント。
背景にちらりと見える古い町並みとの対比が面白い。
何度も開いては閉める、仏壇を隠した扉。
玄関へ続く扉、二階へ続く階段、隣の部屋への襖、門扉・・・
舞台をまだ見慣れない私にとって、ひとつのセットでの多彩な表現、
空間を使いきる方法に驚くばかり。

また、個人的に夏の雰囲気が好きなので、
効果音や演技に夏の香りを感じられて嬉しかったです。
終盤近くに下界へ降りるリスクの話が出たときは、
先妻・克子の弟の優と同じくそれを真に受けて「なんて切ない話だ!」と騙されてしまいました。
ただの脅かしでよかった・・・と、心から安堵。

涙腺が緩むシーンはたくさんあったのですが、
印象的なのは圭輔の母・梅子とその妹・竹子姉妹別れのシーン。
他に守らなければならない家庭があるからか、年の功なのかあっさりと
「さようなら」を言い合う二人を演じる女優さんの、空気の作り方のすごさ。
一瞬前まで愉快な掛け合いをしていたと思ったら、いきなりぐっと心に迫るのです。
さっきまで笑っていたのにいきなり涙がこみあげる。
なんとも忙しくあっと言う間の二時間半。


青時雨。
綺麗な言葉なので覚えておいて後でしらべてみよう・・・などと思っていれば、
なんと物語のクライマックスに関わる言葉でした。
ガラッとムードが変わったラスト。違和感無く、しんみりと泣かされてしまう。
誰もが経験する身近な誰かを亡くす淋しさ。
幽霊でもいいから出てきて欲しいという気持ち。
そこに自然とシンクロするのでしょうね。
観劇中ずっと、亡くなった自分の祖母が見たら喜びそうなお芝居だな、
祖母ならこうやって出てきてもおかしくないな、などと思っておりました。

まさに大人が楽しめる喜劇で、今回も観劇中娘を預かってもらっていた母と一緒に見たかったです。
娘が大きくなったら家族で鑑賞会に入れたらいいな、とまた思いました。

ところで、感想や会議などでもよく耳にする「誰もが知る俳優が出演する回は新入会員を増やしやすい」という意見。
私個人としましては恥かしながらかなり名の知れた方でも存じ上げなかったりするので、
あまり実感がなかったのですが、今回のアプローズを見た母が出演者から興味を持ち出したのを
目の当たりにしてなるほど、と納得いたしました。
きっかけとしては入りやすいところなのかもしれませんね。


終演後、18時頃からロビーにて交流会があり、
鳳さん、音無さん、川端さん、平松さん、葛城さんが参加してくださいました。
私が入会してから初めての交流会です。
隣人の妻役・葛城さんの開脚によって傷みが激しいサンダルや、
抱きしめる息子の汗とメイクで新調せざるを得なかった音無さんの浴衣、
先代住職役・平松さんの舞台滞在時間3分45秒に対してメイクが時間20分、
待ち時間が長いせいでついついいじる内に眉毛がとんでもないことに・・・など、
交流会ならではのエピソードを聞くことができて、貴重な経験でした。
俳優の皆さんありがとうございました!
また運営サークルの皆さん、お疲れさまでした。
次回は私たちの番です。近日二回目の会議もありますし、よい観劇会目指して張り切ろうと思います!

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昨年の9月の観劇会、劇団昴「アルジャーノンに花束を」の感想を今更ながらUPさせていただきます。
私が演劇鑑賞会へ入るきっかけとなったのは主演の平田広明さんでした。
平田さんがご自身のブログで紹介なさっていたのを見て演劇鑑賞会の存在を知ったのです。
では、以下拙い感想です。(※公演後すぐに書いたもの)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私はお芝居を自分でお金を払って観るのは初めてでした。
しかもあんな近い距離で。
最前列の中央左寄り、ステージまでは大股いーっぽ!な距離です。
役者さんが座り込むシーンではどこを見ていいかわからないくらい近い。

生の舞台を観る迫力を間違いなく感じる場所なのですが、しかし。
・・・首が痛い。
常に上を見上げて首を左右にかなりな角度で曲げねばならず、 上目遣いなので目も乾く。
でも身動ぎできない・・・しちゃいけない気がするのと、魅入ってしまってそんなタイミングはない。
一幕はそれほどまで集中して観ていました。

ところが休憩中に花束係の仕事の説明があり、
渡すタイミングというのがさっぱりわからない初心者の私にとって、
暗くなった隙にしゃがんで中央に行かねばならないというプレッシャーが圧し掛かります。
残念ながら二幕の途中からは「もう終わりかな!?終わったら動かなくては」
ということに気を取られてお芝居に集中し切れなかったのです・・・なんて勿体無い。

しかもそんなに気にしていたのに自分的には大失態をやらかして終わった花束贈呈。
帰り際たくさんの方に「平田さんが手を出してくださってたのにあなた気づかないで!」
とご指摘いただき、床に突っ伏したのは言うまでもありません。
そうです、わたくし握手をせずに引っ込んでしまったのです・・・
せっかく光栄な役を与えてくださったのに申し訳ありませんでした!!
この場を借りて謝罪したします。
花束を渡したら握手、という素晴らしい定石を知らずにおりました。
なかなか回ってくるお仕事ではないと思いますが、次回こそは頑張りたいです。


さて、肝心のお芝居の内容について少しだけ。
事前に原作本を読み、平田さんご本人からも昴の制作の方からも
「暗い、とっつくにくい」というお話は聞いていたので、
最初の白衣だらけの医学用語がズラズラと続くシーンにも驚きませんでした。
確かに予備知識がなかったら最初は「難しい」という印象を受けると思います。
そこから引き込んでいくのが演出と役者さんのすごいところですね。
金属パイプを組み立てただけの舞台で、どんどんと場面転換がされていく。
号泣する暇はなく、ただ切なさが積もっていきます。
できればこれは原作を知らないで見てみたかったような気もしました。
その場合どんな感想を抱いたんだろう、なんて思うのです。

でも原作から受ける印象とはまた違うこともあるわけでして、
特に好きだとも思わなかった登場人物に生身の表情と声が付いたとき、
誰も憎むことができなくてむしろ共感してしまう。
子どもの知能しか持たない純粋なチャーリイが愛しく、保護欲を刺激される。
けれどそんなチャーリイをからかったり利用したりする、パン屋の仲間達一人一人も個性的で憎めない。
チャーリイを追いやった家族の人生、その想い。
母親ローズの叫びには完全に引き込まれてしまいました。
「あの子をここから連れ出して」チャーリイを思うと悲しくなるこの台詞も、
そこに至るまでの彼女の苦悩を思ったら切なすぎます。
彼女も確かにチャーリイを愛してたのだから。
誰の立場で物事を見たらいいのかわからない、誰にでも感情移入してしまう、 そんなお話でした。

私はどちらかといえば感動しいで影響されやすいので、
これからどんなお芝居を見ても同じことを思うのかもしれませんが、
今は平田さん個人でなく、劇団昴のファンになりました。 
演劇って想像通り面白いな、想像以上に素敵だなってことがわかっただけで嬉しいし、
これからもここに暮らす限りは積極的に活動していきたいと気持ちが新たになりました。
そう、鑑賞会の若手の星は(若いのです!)目当てのアルジャーノン公演が終わってもモチベーションを維持したのでした。

追記で、もっと個人的なくだけた感想を載せておきます。
お時間のある方は、この記事の右下「つづきはこちら」をクリックして下さい。

ひらつか演劇鑑賞会の連絡先
平塚市明石町20―2ヒカリビル2F
電話:0463―24―3265
FAX:0463―24―3268
メール:h-enkan@ma.scn-net.ne.jp
管理人
HN:
みな
性別:
女性
趣味:
旅行、お絵描き
自己紹介:
2008年8月、ひらつか演劇鑑賞会の仲間入り。
劇団昴「アルジャーノンに花束を」が初めての観劇。
平塚にはHPがないため、ブログでの紹介をはじめました。

2009年10月現在、県外へ転居したため活動はご一緒できていませんが、素敵な出会いや感動を与えてくれたひらつか演鑑の情報を可能な限りお届けできたらと思います。
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