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神奈川県平塚市で活動するひらつか演劇鑑賞会。
この会の活動内容や感想を新入会員視点でご紹介します。
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昨年の9月の観劇会、劇団昴「アルジャーノンに花束を」の感想を今更ながらUPさせていただきます。
私が演劇鑑賞会へ入るきっかけとなったのは主演の平田広明さんでした。
平田さんがご自身のブログで紹介なさっていたのを見て演劇鑑賞会の存在を知ったのです。
では、以下拙い感想です。(※公演後すぐに書いたもの)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私はお芝居を自分でお金を払って観るのは初めてでした。
しかもあんな近い距離で。
最前列の中央左寄り、ステージまでは大股いーっぽ!な距離です。
役者さんが座り込むシーンではどこを見ていいかわからないくらい近い。

生の舞台を観る迫力を間違いなく感じる場所なのですが、しかし。
・・・首が痛い。
常に上を見上げて首を左右にかなりな角度で曲げねばならず、 上目遣いなので目も乾く。
でも身動ぎできない・・・しちゃいけない気がするのと、魅入ってしまってそんなタイミングはない。
一幕はそれほどまで集中して観ていました。

ところが休憩中に花束係の仕事の説明があり、
渡すタイミングというのがさっぱりわからない初心者の私にとって、
暗くなった隙にしゃがんで中央に行かねばならないというプレッシャーが圧し掛かります。
残念ながら二幕の途中からは「もう終わりかな!?終わったら動かなくては」
ということに気を取られてお芝居に集中し切れなかったのです・・・なんて勿体無い。

しかもそんなに気にしていたのに自分的には大失態をやらかして終わった花束贈呈。
帰り際たくさんの方に「平田さんが手を出してくださってたのにあなた気づかないで!」
とご指摘いただき、床に突っ伏したのは言うまでもありません。
そうです、わたくし握手をせずに引っ込んでしまったのです・・・
せっかく光栄な役を与えてくださったのに申し訳ありませんでした!!
この場を借りて謝罪したします。
花束を渡したら握手、という素晴らしい定石を知らずにおりました。
なかなか回ってくるお仕事ではないと思いますが、次回こそは頑張りたいです。


さて、肝心のお芝居の内容について少しだけ。
事前に原作本を読み、平田さんご本人からも昴の制作の方からも
「暗い、とっつくにくい」というお話は聞いていたので、
最初の白衣だらけの医学用語がズラズラと続くシーンにも驚きませんでした。
確かに予備知識がなかったら最初は「難しい」という印象を受けると思います。
そこから引き込んでいくのが演出と役者さんのすごいところですね。
金属パイプを組み立てただけの舞台で、どんどんと場面転換がされていく。
号泣する暇はなく、ただ切なさが積もっていきます。
できればこれは原作を知らないで見てみたかったような気もしました。
その場合どんな感想を抱いたんだろう、なんて思うのです。

でも原作から受ける印象とはまた違うこともあるわけでして、
特に好きだとも思わなかった登場人物に生身の表情と声が付いたとき、
誰も憎むことができなくてむしろ共感してしまう。
子どもの知能しか持たない純粋なチャーリイが愛しく、保護欲を刺激される。
けれどそんなチャーリイをからかったり利用したりする、パン屋の仲間達一人一人も個性的で憎めない。
チャーリイを追いやった家族の人生、その想い。
母親ローズの叫びには完全に引き込まれてしまいました。
「あの子をここから連れ出して」チャーリイを思うと悲しくなるこの台詞も、
そこに至るまでの彼女の苦悩を思ったら切なすぎます。
彼女も確かにチャーリイを愛してたのだから。
誰の立場で物事を見たらいいのかわからない、誰にでも感情移入してしまう、 そんなお話でした。

私はどちらかといえば感動しいで影響されやすいので、
これからどんなお芝居を見ても同じことを思うのかもしれませんが、
今は平田さん個人でなく、劇団昴のファンになりました。 
演劇って想像通り面白いな、想像以上に素敵だなってことがわかっただけで嬉しいし、
これからもここに暮らす限りは積極的に活動していきたいと気持ちが新たになりました。
そう、鑑賞会の若手の星は(若いのです!)目当てのアルジャーノン公演が終わってもモチベーションを維持したのでした。

追記で、もっと個人的なくだけた感想を載せておきます。
お時間のある方は、この記事の右下「つづきはこちら」をクリックして下さい。


★チャーリイについて★
この舞台で主役の平田さんはほとんど出っぱなしなので、汗の量も半端ない。
確実に一公演で何キロかは痩せてらっしゃるのではないか。
遠くの席からではシャツの色が濃くなったことに気づくかどうかだと思うけど、
近くだと髪のからパタパタ落ちる様まで見て取れる。

前半と後半のIQがずば抜けて高くなったチャーリイでは、
立ち姿から表情、声まですべて違う。
前半は見事に子どもで175センチの平田さんが可愛く見えてしまうほど。
一生懸命、利口になりたいと訴える。
利口になればみんなともっと話ができる、いつだってひとりぼっちにならなくて済む。
その表情はコミカルで決してカッコいいものではないかもしれない。
でも作中でキニアン先生が言うように「みんなが好きになる何か」があって、
ドタドタと猫背で走り回りはしゃぐ姿に可愛いとしか思えなかった。
もちろんシーンによってはそれが痛々しかったりもするのだけど。

後半は年相応かそれ以上の渋さと色気がある。
こちらの声音はいつもテレビで聞いている声で、
自分がファンになった声でもあるのでもちろん素敵だった。
けれど頭に他のキャラクターは浮かばず、あくまでチャーリィとして見ることが出来たのは
それだけこの舞台に引き込まれていたということだと思う。

★パン屋の皆さん★
ジンピイ ⇒ディスコシーンでのダンスや合いの手が楽しい。
フランク⇒ チャーリイに投げKISSしたり「チャ~リィ~~俺はお前が大っ好きだぜコノヤロー!」
と頬っぺた引っ張ったりちゅーしたりするあのテンションと、
パン屋やディスコで身軽に飛び回る姿に釘付け。
ジョー⇒いかにもアメリカンな不良(?)っぽい語り口が面白い。
病院でナースに「このお嬢さんならすぐにでも婦長さんだ!」とおだてるところや、
フランクとふたりで「俺はジョー・カープ!」「俺はフランク・レリィ!」
「「そしてこいつはチョコレート・ケーキ!!」」
とノリノリでお見舞いを渡して去っていくのが最高。
重いテーマで人間の嫌な部分がたくさん見えてしまうはずの内容なのに、
やっぱり憎めないこの人たち。


★女優さんたち★
それにしても女優さんは足が綺麗。どなたも真っ直ぐで羨ましい・・・
姿勢が良いのと関係があるのだろうか。
フェイはイメージどおり奔放で、
原色ファッションを着こなして長い髪をかき上げる姿が印象的。
妹ノーマの子ども時代、ほんとうに可愛らしくて子どもらしい残酷さがあった。


★母ローズとの再会シーン★
「マァ」と呼びかける声が柔らかくて泣けた。
「おねむり ママの胸で チャーリー・・・」
と歌いながらひたすら床を磨くローズ。その歌にすべての気持ちが詰まってる気がする。
たたみかけるような場面転換のおかげで号泣する暇はない。
ただただ、切なさが積もっていく感じ。

★チャーリイがバートにさよならするシーン★
チャーリイが差し出した手が、初めて握手したときと同じく左手だった。
もうそこまで彼の知能は退行してしまったのか。
一瞬だけ止まったバートが、自分の右手の向きを変えてパシっと力強く手を握る。
今でも思い出すとなんとも言えない気持ちになる。

彼らは友人だったと思う。
そしてバートは言葉通り、アルジャーノンのことを忘れないでいてくれたらいい。
もちろんチャーリイのことも。

★ラストシーン★
追い出されたパン屋に再び現れたチャーリイは元の知能に戻っていて、
それを素直に喜んで歓迎するパン屋の人々。
チャーリイも含めみんなが幸せそうであるのに、残酷でもある風景。
場面転換、
元に戻ってしまったチャーリイにショックを受けたキニアン先生が駆け抜ける。
ぶつかった拍子にチャーリイの持っていたテープレコーダーが落ちて・・・
少し前の“チャーリイ”が残した、最後の経過報告が再生される。
そこには世話になったみんなへの感謝と、悲しまないでほしいこと、
そしてアルジャーノンに花を手向けて欲しいことが吹き込まれている。
それを聞きながらチャーリイは右往左往し、
やがて中央の階段へうずくまり・・・フェードアウト。
そのチャーリイの姿は本当に小さく小さく見えた。 

 

・・・以上、長々とした感想をお読みくださってありがとうございました!

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電話:0463―24―3265
FAX:0463―24―3268
メール:h-enkan@ma.scn-net.ne.jp
管理人
HN:
みな
性別:
女性
趣味:
旅行、お絵描き
自己紹介:
2008年8月、ひらつか演劇鑑賞会の仲間入り。
劇団昴「アルジャーノンに花束を」が初めての観劇。
平塚にはHPがないため、ブログでの紹介をはじめました。

2009年10月現在、県外へ転居したため活動はご一緒できていませんが、素敵な出会いや感動を与えてくれたひらつか演鑑の情報を可能な限りお届けできたらと思います。
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